竪繁障子ってなに?関西で良く使われる和風建具

良い家をつくりたい。
『竪繁障子』とは、どういう障子ですか?

建築とインテリア研究家
『竪繁障子』は、横に組まれた障子に、縦に細かく組子を入れたもののことを指します。

良い家をつくりたい。
どこでよく見られますか?

建築とインテリア研究家
関西地方で好まれているようです。
竪とは。
建築とインテリアの分野で使われる用語に「竪」があります。
「竪繁障子」または「縦繁障子」とは、横桟を基本とした障子に、縦方向に細かい組子を加えた障子のことです。関西地方でよく好まれています。
竪繁障子の特徴

–竪繁障子の特徴–
竪繁障子は、関西地方でよく見られる和風建具で、縦方向に細く並べた桟が特徴です。これらの桟は「竪繁」と呼ばれ、障子紙を支える役割を担っています。そのため、比較的軽い構造となっており、開閉が容易です。また、桟が縦方向に並んでいることで、採光を確保しながらもプライバシーを守ることができます。さらに、紙の張り替えが簡単に行えるため、メンテナンス性にも優れています。
竪繁障子の種類

竪繁障子には、さまざまな種類があります。まず挙げられるのは、本障子と呼ばれる伝統的なタイプです。白い和紙を貼った組み格子で、部屋を明るく照らしながらも、プライバシーを確保できます。また、杉綾障子は、格子が杉綾模様に組まれているのが特徴です。これは、通気性と遮光性を兼ね備えた実用的なタイプです。さらに、竹すだれ障子は、竹棒をすだれ状に組んだもので、風通しがよく、夏の暑い時期に適しています。
竪繁障子の歴史

竪繁障子は、室町時代末期に茶室建築の中で生まれました。茶室は、静寂と簡素さを重視する空間であり、竪繁障子は、その雰囲気を醸し出すために用いられました。当初は簡素な造りでしたが、時代とともに装飾性が加わり、江戸時代には、豪華な金箔や絵画が描かれたものも登場しました。明治時代には、茶室建築以外にも広まり、一般住宅や公共施設でも使用されるようになりました。現在では、日本の伝統的な和室空間を演出する上で欠かせない建具として親しまれています。
竪繁障子の活用方法

竪繁障子の活用方法
竪繁障子は、空間の仕切りや目隠しとしてだけでなく、さまざまな用途で活用できます。例えば、間仕切りとして用いれば、空間を柔軟に区切ることができます。また、建具として使うことで、明かりを取り入れながら目隠しをしたり、空気の流れを調整したりすることができます。さらに、壁面装飾としても効果的で、和室の雰囲気を演出することができます。このような多様な用途により、竪繁障子は伝統的な和風建築だけでなく、現代の住宅にも幅広く取り入れられています。
竪繁障子のメリット・デメリット

-竪繁障子のメリット・デメリット-
関西で広く使われている竪繁障子は、家屋の内部と外部を仕切る伝統的な和風建具です。一般的な障子と異なり、桟(横桟)ではなく、縦桟(竪桟)を使用して作られています。この独特の構造により、竪繁障子は他の建具にはないメリットとデメリットを併せ持ちます。
-メリット-
* -通気性が高い- 竪桟の間隔が広く、通気性に優れています。そのため、夏場でも風通しを良くし、屋内を涼しく快適に保てます。
* -採光性が高い- 竪桟が細く、障子紙が広く取られているため、採光性に優れ、室内を明るく照らします。
* -調光性がある- 障子紙をスライドさせることで、採光量を調整でき、明るさの度合いを自在にコントロールできます。
-デメリット-
* -耐候性が低い- 障子紙は破れやすく、雨風や紫外線によるダメージを受けやすいです。定期的な張り替えが必要になります。
* -防音効果が低い- 竪桟の隙間が大きいことから、防音効果が低く、外部の音が室内に入り込みやすいです。
* -プライバシーが確保しにくい- 障子紙が薄い場合、内部が外から透けて見え、プライバシーの確保が難しいことがあります。