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馬目地とは?特徴・施工方法・メリット・デメリットと適用場所を徹底解説

良い家をつくりたい。
先生、『馬目地』って何ですか?

建築とインテリア研究家
それは、タイルなどで横方向の目地をとおし、縦方向の目地が一直線にならないようにした目地のことです。

良い家をつくりたい。
つまり、縦と横の目地がずれているってことですよね?

建築とインテリア研究家
その通りです。意図的にずらすことで、より装飾的な効果が得られます。
馬目地とは?
良い家づくりや洗練されたインテリアを目指す上で、細部にこだわった仕上がりはとても重要です。
「馬目地」という用語をご存じでしょうか?
本記事では、馬目地の意味やその特徴、施工方法、メリット・デメリット、さらには適した施工場所について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
馬目地は、住宅やインテリア、さらにはコンクリート構造物において用いられるジョイント(目地)の一種です。
- 装飾的側面(タイル施工の場合):
タイルの横方向の継ぎ目に対して、縦方向の継ぎ目が一直線にならないように意図的にずらして配置する方法を指します。これにより、全体の仕上がりに動きや奥行きが生まれ、装飾的な効果を高めることができます。 - 構造的側面(コンクリートの場合):
建物の基礎や床スラブなどに設けられるジョイントとして、コンクリートの膨張・収縮や変形に対応し、亀裂やひび割れを防ぐ役割も果たします。
この場合、目地幅は数ミリメートル程度と非常に狭く、目立たない仕上がりとなるため、美観を損なわずに耐久性を確保することができます。
馬目地の特徴

- 装飾性
- 縦と横の目地を意図的にずらすことで、視覚的に奥行きやリズムを生み出し、洗練されたデザインに仕上がります。
- 柔軟性と耐久性
- コンクリートの場合、構造物の変形や温度・湿度の変化に追従し、亀裂発生を抑制します。
- 目立たない仕上がり
- 目地幅が非常に狭いため、全体のデザインを邪魔せず、自然な仕上がりを実現します。
馬目地の施工方法と注意点

施工方法
- 下地の準備
- タイルやコンクリートの下地をしっかりと整え、汚れやホコリを除去します。
- 目地材の選定
- 装飾目的の場合は、目地材の色や質感にもこだわります。コンクリートの場合は、強力なモルタルや専用のシーリング材を使用し、耐久性を確保します。
- 目地の配置
- タイル施工の場合、横方向の目地に対して縦方向の目地が一直線にならないよう、あえてずらして配置します。
- コンクリートの場合は、設計図に基づいて均一かつ適切な間隔でジョイントを設けます。
- 仕上げと補修
- 目地材をしっかりと固め、必要に応じて滑り止め加工や表面の整形を行います。
施工時の注意点
- 適切な目地幅の確保
- 蹄(ひづめ)の幅や使用環境に合わせて、必要以上に狭すぎず、かつ目立たない幅に設定することが重要です。
- 耐久性の確認
- 特にコンクリート構造物の場合、外力や温度変化に耐える目地材を使用し、定期的な点検とメンテナンスが求められます。
- 均一な仕上がり
- 施工中に目地が均一になるよう、十分な技術と経験が必要です。専門業者に依頼することで、より高品質な仕上がりが期待できます。
馬目地のメリットとデメリット

メリット
- 美観の向上
- 装飾効果により、外壁や床、タイルのデザインが一層引き立ちます。
- 通気性の確保
- 目地を通じて適度な隙間が生まれるため、建物内部の湿気や熱の排出に寄与します。
- 耐久性の向上
- 構造物の膨張・収縮を吸収し、亀裂やひび割れの発生を防ぐ効果があります。
- 雨水の浸入防止
- 適切な施工により、雨水の侵入を防ぎ、建物の長寿命化につながります。
デメリット
- 水のたまりやすさ
- 目地に水が溜まると、汚れや藻の発生、さらには外壁の劣化が進む可能性があります。
- 施工コストの増加
- 一般的な目地よりも施工手間がかかるため、コストが高くなる傾向があります。
- メンテナンスの手間
- 定期的な清掃や補修が必要となるため、メンテナンスに手間がかかる点に注意が必要です。
馬目地が適した場所

- 広い床面積の施設
- 学校の体育館、倉庫、工場など、広い面積のコンクリート床において、温度や湿度の変化を吸収するために適しています。
- 車両が頻繁に通る場所
- 駐車場や荷捌き場など、車両の荷重や振動に対応するため、耐久性と安全性を高めるために活用されます。
- 急激な温度変化がある場所
- 屋外や冷暖房設備の強い建物などでは、温度差によるコンクリートの膨張・収縮を吸収する役割が期待されます。
- 異なる素材の接合部
- コンクリートと金属、あるいは木材との接合部など、異なる熱膨張率を持つ材料が接する箇所にも適しています。
馬目地と通常の目地の違い

- 通常の目地
- 異なる材料や構造物の接合部を埋めるために用いられる、一般的な継ぎ目です。
- 馬目地
- 意図的に横と縦の目地がずれるように配置されるため、装飾効果が高まり、同時に構造物の動きに柔軟に対応する役割も果たします。
- 美観と耐久性を両立させるための特殊な技法といえます。
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