倹飩式とは?建築やインテリアの用語を解説

良い家をつくりたい。
先生、倹飩式ってなんですか?

建築とインテリア研究家
倹飩式とは、上下に溝を設けて板などを差し込んで使用する構造のことだよ。建具や家具などに使われているね。

良い家をつくりたい。
へぇ、岡持ちの箱も倹飩式なんですね。

建築とインテリア研究家
そうなんだよ。簡単に取り外しできるから、室名のプレートやふすまも倹飩式が使われていることが多いよ。
倹飩式とは。
「倹飩式」とは、上下に溝を設け、板やパネルを差し込んで取り外すことができる構造のことです。縦方向の溝を倹飩式と呼び、横方向の溝は「遣り返し(やりかえし)」と呼ばれます。
倹飩式の代表例には、うどん・そばの出前で使われる「倹飩箱」があります。蓋を開閉する部分が倹飩式の構造になっています。
倹飩式は、建物(扉や建具)、家具などさまざまな場面で利用されています。簡単に取り外しができるため、オフィスの室名プレートも多くの場合倹飩式で、交換が楽にできます。また、ビスなどの固定具がないので、外観もすっきりします。和室のふすまや障子も倹飩式です。
倹飩式とは?

倹飩式とは、江戸時代に流行した建築様式です。質素で無駄のない造りが特徴で、町屋や武家屋敷など、庶民から武士まで幅広く用いられました。
その名の由来は、「倹約」と「飩(とんま)」を掛け合わせたもので、無駄を省いた簡素な造り方を表しています。外観は簡素ながらも、内部は工夫を凝らした造りになっており、限られた空間を効率的に利用していました。
倹飩式の仕組み

倹飩式の仕組みは、経済的かつ効率的な建築手法です。この手法では、構造体と外装を分離し、柱や梁などの骨組みに薄い板やコンクリートスラブを張り付けることで建物を構築します。これにより、材料費や建設費の節約が実現できます。また、構造体と外装が独立しているため、メンテナンスや改修が容易になり、建物の寿命を延ばすことができます。
倹飩式の代表例:倹飩箱

倹飩式の代表例として挙げられるのが「倹飩箱」です。倹飩箱とは、江戸時代に米や味噌などの乾物を保管するために使用された木製の箱のことです。作りはいたってシンプルで、蓋と本体は木製の溝で組み合わされており、釘などは一切使われていません。この構造により、湿度や温度の変化に応じて箱が歪んだり縮んだりするのを防ぎ、中の乾物を長期間保存することができました。
倹飩式が用いられる場所

倹飩式が用いられる場所として挙げられるのは、主に住宅や店舗などの建築物です。住宅では、限られたスペースを有効活用したい場合に、引き戸や障子、襖などの引き違い形式の建具が用いられます。また、店舗ではスペースを広く見せたい場合や効率的な動線を確保したい場合に、引き戸やパーテーションが使用されることが多くあります。
倹飩式のメリット

倹飩式とは?建築やインテリアの用語を解説
倹飩式のメリット
倹飩式は、安価で効率的な建築様式です。この方式を採用することで、以下のようなメリットが得られます。
* 低コスト 倹飩式では、簡素な材料や建設方法を使用するため、建設コストが抑えられます。
* 短工期 シンプルな構造により、工事が短期間で完了します。
* 耐震性 倹飩式の建物は、耐久性が高く、地震に強い構造が特徴です。
* 柔軟性 倹飩式は、様々な建築スタイルや用途に適応できます。
* 環境にやさしい 簡素で再利用可能な材料を使用するため、環境への影響が最小限に抑えられます。