框とは何か?床の間や玄関で見かける建具や畳の用語

良い家をつくりたい。
『框』について教えてください。

建築とインテリア研究家
『框』は、段差のある部分や建具の周りに設置される化粧材や補強材です。

良い家をつくりたい。
なるほど。床の間や玄関などに使用されるんですね。

建築とインテリア研究家
はい。また、畳においても畳縁が付いていない短い辺を『框』と呼びます。
框とは。
建築において、「框」とは、床の段差がある場所(床の間や玄関など)に渡して装飾として使う部材、または建具の周囲を固める部材のことです。また、畳においては、畳縁のない短い辺を「框」と呼びます。代表的なものとしては、玄関の「上がり框」などがあります。
框の役割

框(かまち)は、床の間や玄関で見られる建具や畳の用語で、枠組みや縁取りを指します。框は建具や畳を固定し、全体をまとまりある形にする役割を担っています。また、框は意匠的な要素も持ち、空間の装飾としても機能します。例えば、床の間の框には彫刻や塗装が施されるなど、装飾的な要素が加えられることもあります。さらに、框は建具や畳の建付けを調整する機能も有しています。建具や畳が枠内に収まるように調整することで、扉の開閉や畳の敷き込みをスムーズにすることができます。
框の種類

框の種類
框には、さまざまな種類があります。 框の形状や用途によって、以下のような分類があります。
* -框組- 框が組み合わさって作られたもの。枠状になっており、障子やふすまの枠などに使用されます。
* -敷居- 床と敷居との間を仕切る横長の框。玄関や出入り口などで使用されます。
* -鴨居- 敷居の上部に設置される横長の框。敷居と鴨居でドアや障子などの建具が収まります。
* -天井框- 天井に沿って取り付けられる框。照明器具や換気扇などの設備を覆ったり、天井を飾ったりするために使用されます。
* -床框- 床に沿って取り付けられる框。畳を固定したり、床を飾ったりするために使用されます。
また、框は素材や形状によっても分類できます。木材、金属、樹脂などさまざまな素材で作られ、正方形、長方形、円形などの形状があります。
玄関の上がり框

玄関の上がり框は、土間と室内の境界に設置される建具です。本来は家の土間と畳の敷かれた室内との段差を解消し、出入りを容易にするもので、一般的には高さ何センチかの木製の部材で構成されています。この上がり框は単なる段差解消ではなく、家の顔とも言える玄関を装飾する役割も担っています。そのため、材質やデザインにこだわり、玄関全体の雰囲気を高める重要な要素となっています。また、玄関の上がり框は、ただ単に段差を解消するだけでなく、外と内の境界を明確にする心理的な役割も果たしています。
畳の框

畳の間で目にする框は、畳の縁を保護して美観を保つ役割を担っています。框は木製または金属製の枠組みで、畳の四辺を囲んでいます。框の形状や素材は、畳の間の雰囲気やインテリアに調和するようにさまざまなものが用いられます。框は畳の縁を衝撃や汚れから守り、畳の耐久性を向上させます。
框の装飾性

框の装飾性
框は、シンプルな形状にもかかわらず、装飾的な要素として活用されます。伝統的な日本建築では、框に漆塗りを施したり、金箔や蒔絵などで華やかに飾るのが一般的です。茶室などの特別な空間では、框に彫り物や透かし彫りを施して、静謐で美しい雰囲気を演出します。現代の住宅でも、框はインテリアのアクセントとして用いられています。枠の色や素材を変えることで、モダンな雰囲気を醸し出したり、和テイストを強調したりすることができます。