フラッシュ構造とは?その特徴とメリット

良い家をつくりたい。
フラッシュ構造について教えてください。

建築とインテリア研究家
フラッシュ構造とは、フレームの両面にパネルを接着させた構造です。強度があり反りが生じにくいですが、無垢材と異なり軽量化されています。

良い家をつくりたい。
フレームの素材には何を使いますか?

建築とインテリア研究家
角材などの木材や、ラワン合板、シナ合板、メラミン板などの安価な材料が使用されます。
フラッシュ構造とは。
「フラッシュ構造」と呼ばれる家屋やインテリアの用語があります。これは、角材などを格子の形に組んで作ったフレームの両面に、合板などを張り合わせたパネルで構成されています。別名「太鼓張り」と呼ばれます。
フレームが芯となるため強度が高く、反りや歪みが起こりにくくなっています。また、無垢材と違って内部が空洞になっているため、軽量化が可能です。こうしたパネルを「フラッシュボード」と呼び、フラッシュボードを使用した扉は「フラッシュ戸」と呼ばれます。
「フラッシュ(flush)」という言葉は英語で「平らな、つり合った」という意味を持ちます。フラッシュ構造の材料として、ラワン合板、シナ合板、メラミン板、突き板などが用いられます。これらの材料は安価なため、低コストで製造できることも特徴です。一方、フレームの片面だけに合板を貼った構造を「片面フラッシュ(片フラ)」と呼びます。
フラッシュ構造の特徴

フラッシュ構造の特徴はその構造上にあります。フラッシュ構造では、通常の構造物のように柱や梁が露出しておらず、壁面が平らな面で構成されています。これは、壁面全体が荷重を負担する一体化した構造体となったことを表します。また、フラッシュ構造は軽量なため、輸送や設置が容易なうえ、耐震性や気密性にも優れています。
フラッシュ構造のメリット

フラッシュ構造の注目すべきメリットとして、施工の容易さがあります。コンクリートの打設や型枠の組み立てが不要なため、工期短縮とコスト削減に貢献します。さらに、軽量性にも優れ、従来の構造と比べて建物にかかる荷重を軽減できます。これにより、地震や台風などの自然災害時の耐震性や耐風性が向上します。また、耐火性も高く、火災の発生時にも建物の安全性を確保するのに役立ちます。
フラッシュ構造で使用される材料

フラッシュ構造で使用される材料は、この構造の重要な要素です。一般的に、フラッシュ構造には、 コア材、スキンズ、接着剤 が使用されます。
コア材は、構造の軽量性と強度を提供します。軽量かつ高強度な ハニカムコア や、衝撃吸収性に優れた フォームコア がよく使用されます。スキンズは、コア材の外側を覆うもので、強度と剛性を提供します。通常、アルミ合金、複合材、または薄い金属板などの軽量で高強度の材料が使用されます。
接着剤は、コア材とスキンズを結合するために使用され、構造の強度と耐久性を確保します。接着剤は、構造のせん断荷重に耐えることができる高強度で耐久性のあるものである必要があります。
フラッシュボードとフラッシュ戸

フラッシュ構造においては、フラッシュボードとフラッシュ戸の2つの重要な構成要素があります。フラッシュボードは、薄く軽量な木材や金属のシートで構成されており、ドアフレーム内の開口部を埋めています。フラッシュ戸は、2枚の薄い表材(通常は木材や金属)の間に芯材を挟み込んだ構造になっており、軽量で剛性が高い特徴があります。
片面フラッシュ構造

片面フラッシュ構造はフラッシュ構造の1つです。この構造では、1つの表面が硬い面材で、もう1つの表面が軽量なコア材で覆われています。コア材は通常、蜂の巣状の紙または発泡プラスチックで作られています。
片面フラッシュ構造は、軽さと強度の優れたバランスを提供します。硬い面材が荷重を分散させ、コア材が構造の安定性を向上させます。このため、片面フラッシュ構造は、キャビネットのドア、家具、壁パネルなど、軽量で耐久性が必要なアプリケーションに適しています。さらに、片面フラッシュ構造は、裏面にカーブや角度を付けることができるため、より複雑なデザインを実現できます。