つくばい：和の趣を味わう手水鉢の魅力
良い家をつくりたい。
「つくばい」ってどういう意味ですか？
建築とインテリア研究家
和風の庭にある手水鉢のことだよ。茶室の近くによく設置されてるんだ。
良い家をつくりたい。
手水鉢ってなんですか？
建築とインテリア研究家
手を洗ったり口をすすいだりするために使う水を入れた容器だよ。低い位置にあるから、しゃがんで使うんだ。
つくばいとは。
「つくばい」とは、和風の庭に置かれる石造りの手水鉢のことです。茶室の庭（茶庭や露地）に設けられ、来客が茶室に入る前に手や口を浄める場所となっています。しゃがんで水で清めることから、「蹲踞」という意味の「つくばい」と名付けられました。
つくばいは、低く据えられた手水鉢のほか、「前石」「手燭石」「湯桶石」などの役石と「水門」で構成されています。茶庭だけでなく、和の雰囲気を演出するために日本庭園にも置かれることがあります。
つくばいの役割と由来
つくばいの役割と由来
つくばいとは、茶室や庭園などで手を清めるための手水鉢のことです。その歴史は古く、平安時代初期に遣唐使が唐から伝えたとされています。当初は寺院や神社で僧侶や参拝者が手や口を清めるために用いられましたが、時代とともに茶道の中で重要な道具として取り入れられるようになりました。茶室では、躙口（にじりぐち）の外に設けられ、茶事の際には必ずここで手が清められます。
つくばいの構成要素
つくばいを構成する要素は、その役割に合わせて巧みに組み合わせられています。まず、中心となる水鉢は、水を湛え、手水を取るための実用的な機能を果たします。水鉢には石製のものが多く、自然な風合いが楽しめます。
その周辺には、沓脱石が配置されています。これは、手水を取る前に靴を脱ぐための石で、腰掛け石と一緒に、蹲踞（そんきょ）をする際の体の支えとなります。手桶や柄杓も重要な要素で、それぞれ水を入れるための容器と、それで水をすくう道具です。蹲踞石は、手水を終わらせた後に水を流すための石で、庭園の景観に溶け込むように設置されています。
茶庭におけるつくばいの使い方
茶庭におけるつくばいの使い方
茶庭では、つくばいは単なる手水鉢ではなく、重要な役割を担っています。客人が茶室に入る前に身を清め、心身を落ち着かせる場所として用いられます。
茶庭に置かれたつくばいは、通常、竹製の柄杓が添えられています。客人は柄杓で水をすくい、左手を洗ってから、右手を洗い、最後に口をすすぎます。この作法は「手水」と呼ばれ、茶道の礼儀作法の基本的な一つです。
つくばいの形や素材は多種多様ですが、茶庭で用いられるものは、通常、石や陶器製で、シンプルなデザインが好まれています。また、つくばいの下に流れている水は、不浄を洗い流すだけでなく、茶庭に静寂感と風情をもたらします。
日本庭園におけるつくばいの活用
日本庭園において、つくばいは重要な要素のひとつです。その控えめな佇まいは、庭園の静寂と調和を際立たせます。水盤を満たすと、空が水面に映し出され、庭園にさらなる奥行きと深みを加えます。
つくばいには、茶室に入る前の清めの場として機能する「蹲踞（つくばい）」と、庭の装飾的な水辺として用いられる「小鉢」の2種類があります。蹲踞は腰を落として柄杓で水をすくい、手と口を清めます。一方、小鉢は主に景観のアクセントとして用いられ、庭園に潤いと洗練さを添えます。
日本庭園のつくばいは、自然の美しさを凝縮しています。石や竹などの天然素材が用いられ、周囲の環境と調和するように配置されています。静かな水の流れや、水滴が水面に落ちる音は、庭園に安らぎと禅の雰囲気を醸し出します。
つくばいを取り入れる際のポイント
つくばいを取り入れる際のポイント
つくばいを取り入れる際には、いくつかのポイントに注意が必要です。まず、全体の雰囲気との調和が重要です。庭園や玄関アプローチといった設置場所に合ったデザインや素材を選ぶことが大切です。また、使い勝手も考慮しましょう。手水を使う頻度や動線を考慮し、最適な位置や高さを決めます。さらに、メンテナンスのしやすさも考慮に入れておきましょう。定期的に水を入れ替えたり、苔を管理したりする必要があります。
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