ペイズリー柄の魅力:インドから世界へ広がった伝統文様
ペイズリー柄の起源と歴史
ペイズリー柄の正確な起源は謎に包まれていますが、インド亜大陸で誕生したと考えられています。紀元前2200年頃のモヘンジョダロ遺跡からは、ペイズリー柄と同様の文様が刻まれた陶器が発見されています。その後、8~10世紀頃にインド西部のグジャラート地方で、この柄は織物に取り入れられ、カーシュمیر地方で「カーシュミーリー」として知られる高級織物に昇華しました。
17世紀にヨーロッパ商人がインドを訪れ、ペイズリー柄の布を輸入すると、その洗練された美しさに人々が魅了されました。特に、スコットランドのペイズリーでは、この柄が織物産業で盛んに用いられ、「ペイズリー柄」という名称が定着しました。19世紀以降、イギリスの植民地拡大に伴い、ペイズリー柄は世界各地に広まり、 ファッションからインテリアまで幅広い分野で取り入れられるようになったのです。