じゅらく壁とは?和風建築を彩る伝統的な塗り壁
じゅらく壁の由来は、平安時代にさかのぼります。「聚楽第」と呼ばれる天皇の離宮の壁を塗り固めたのが始まりと言われています。当時、壁は石灰や砂を混ぜたもので覆われていましたが、聚楽第の壁は、細かな砕石を漆喰に混ぜて仕上げたものでした。この技法が「聚楽仕上げ」と呼ばれ、後に「じゅらく仕上げ」となりました。
鎌倉時代には、寺院建築の壁にもじゅらく仕上げが用いられ、鎌倉大仏の高徳院大殿の壁が残されています。以降、室町時代には茶室の壁にも取り入れられ、茶道の侘び寂びの精神を表現するのに用いられました。江戸時代になると、民家や商家にも普及し、日本の伝統的な塗り壁として広く親しまれるようになりました。