タブノキとは?特徴と活用法

良い家をつくりたい。
「タブノキ」とはどんな木ですか?

建築とインテリア研究家
クスノキ科に属する常緑高木で、日本や中国南部などの暖かい地域に分布しています。

良い家をつくりたい。
どんな特徴がありますか?

建築とインテリア研究家
加工が難しく木肌は粗いですが、心材は耐久性と強度を備えた紅褐色をしています。
タブノキとは。
「タブノキ」という言葉は、家やインテリアの用語として使われています。タブノキ(椨)は、クスノキ科タブノキ属に属する常緑性の高木で、日本では本州以南や中国南部などの暖かい地域に分布しています。
別名には、「タブ」、「イヌグス」、「ヤマグス」、「クスダモ」、「タマグス」、「ベニタブ」、「シロタブ」などがあります。加工や乾燥が難しく、木肌は粗いのが特徴です。
辺材と心材の境目がはっきりしており、心材は赤褐色、辺材は薄い茶色をしています。心材の色が濃いものはベニタブ、薄いものはシロタブと呼ばれますが、どちらも基本的に同じ木です。
気乾比重が0.69と比較的強度があり、耐久性にも優れています。主に家具や床材として使われ、また、樹皮を粉砕したタブ粉は線香の材料にもなります。
タブノキの種類

タブノキの種類
タブノキは、世界に約70種が分布しています。日本にはタブノキ1種のみが自生しており、その他に台湾の特産種であるタイワンタブノキや、中国南部原産のキタクロマツがあります。これらはすべてクスノキ科に属し、葉っぱや果実などの形態に共通点が見られます。タブノキの仲間は常緑の樹木で、葉っぱは革質で厚みがあり、縁にはギザギザがあります。果実は青色から黒色になる球形で、種子の成熟時期になると光沢のある黒い種子が顔を覗かせます。
タブノキの特徴

タブノキの特徴は非常に際立っています。高さは15~20メートルにもなり、幹はまっすぐに伸び、樹皮はなめらかで灰褐色を帯びています。葉は互生し、厚みがあり革質、楕円形で長さ6~12センチメートル、幅3~6センチメートルほどです。縁には鋸歯があり、表面は光沢があり濃緑色をしています。また、新芽は赤褐色を帯び、独特の風情があります。
タブノキの活用法

タブノキの活用法
タブノキは、その優れた木材の特性から、さまざまな用途で活用されています。製材に適しており、耐久性と耐水性に優れているため、建築材や船舶材として利用できます。また、家具や楽器にも用いられ、美しい木目と光沢が特徴です。さらに、タブノキの樹皮は、タンニンを豊富に含むことから、革なめし原料としても活用されています。また、葉や根にも薬効成分が含まれるため、民間療法としても利用されています。
タブノキの加工と乾燥

タブノキの加工と乾燥
タブノキの加工は主に建築資材としての利用のために行われます。木材は伐採後、製材や乾燥などの処理を経て、柱や梁などの建築材として用いられます。
乾燥処理は、木材の含水率を調整し、腐敗や変形などの問題を防ぐために不可欠です。タブノキの乾燥には、自然乾燥と人工乾燥の2つの方法があります。自然乾燥は、風通しの良い場所に木材を置いて時間をかけて乾燥させる方法で、人工乾燥は、窯や熱風を利用して迅速に乾燥させる方法です。人工乾燥の方が効率的ですが、自然乾燥の方が木材の品質が維持されやすいと言われています。
タブノキの耐久性

タブノキの耐久性も特筆すべき特徴のひとつです。この樹種は、その硬材と高い腐朽耐性を備えています。優れた耐久性により、タブノキは屋外用途や過酷な環境下での使用に適しています。また、シロアリやその他の害虫に対する耐性も高く、長期間にわたって構造物や家具を保護することができます。この耐久性は、タブノキが船舶の甲板や鳥居、建造物といった、湿気や風雨にさらされる用途で珍重される理由のひとつです。