額入り障子とは?雪見障子との違い

良い家をつくりたい。
先生、「額入り障子」について教えてください。

建築とインテリア研究家
額入り障子とは、障子の中央部に額縁のようにガラスを入れたものです。

良い家をつくりたい。
なるほど。障子の下半分にガラスが入っているのは「雪見障子」ですよね。

建築とインテリア研究家
その通りです。区別をしておきましょう。
額入り障子とは。
住まいのインテリアで「額縁障子」という言葉があります。これは障子の真ん中に額縁のようにガラスをはめ込んだものです。一方、障子の下半分ほどにガラスを組み込んだものは「雪見障子」と呼ばれます。
額入り障子の特徴

-額入り障子の特徴-
額入り障子は、窓枠に直接はめ込むのではなく、枠組みの縁に障子が取り付けられているのが特徴です。これにより、障子が壁面から浮き出すように設置され、縁が額縁のように見えることから「額入り障子」と呼ばれています。
一般的な障子とは異なり、額縁状の枠組みがあることで、窓枠とは独立して開閉できるというメリットがあります。そのため、通風や採光を調整したり、障子紙の交換や清掃を容易に行うことができます。また、枠組みによって障子が保護されるため、破損しにくくなるという利点もあります。
雪見障子との違い

雪見障子との違い
額入り障子は、雪見障子と類似していますが、いくつかの違いがあります。まず、額入り障子は障子紙ではなく、透明なガラスまたはアクリル板が使用されている点が特徴です。これにより、より広い視野が得られ、特に雪景色を楽しむのに適しています。また、額入り障子は、雪見障子よりも枠が装飾されており、部屋のインテリアとして機能するようデザインされています。一方、雪見障子は、より伝統的な障子で、障子紙が貼られた枠で構成されています。主に採光や通気を目的としており、装飾性は控えめです。
額入り障子の歴史

額入り障子はその名の通り、障子紙を張った枠に額縁が付いた障子です。その歴史は古く、平安時代中期には書院障子として使われていました。当初は貴族や僧侶の邸宅に用いられ、やがて武士の書院(座敷)にも取り入れられるようになりました。その後、江戸時代には障子紙に絵や文字が描かれるようになり、装飾性の高い額入り障子として発展しました。茶室にも用いられ、床の間や書院などに設置されるようになり、書院障子から額入り障子へと変化していったのです。
額入り障子の使い方

額入り障子は、窓枠にぴったりと収まるように作られた障子で、通常は枠に額縁が施されています。伝統的な雪見障子との大きな違いは、枠に組子がなく、一枚の障子紙で構成されていることです。このシンプルなデザインにより、景色を遮ることなく、外の光を取り入れることができます。
額入り障子の使い方は、雪見障子と同様、冬の寒い時期に外気を遮断しつつ、室内に光を取り入れるために用いられます。また、夏の暑い時期には、障子紙を透して涼風を取り入れ、室内の温度を下げる効果もあります。さらに、額縁が施されているため、単なる機能的な障子だけでなく、インテリアとしても適しています。
額入り障子を取り入れる際の注意点

額入り障子を取り入れる際の注意点
額入り障子は、取り入れる際にいくつか注意点があります。まず、部屋の大きさや雰囲気に合ったサイズを選択することが大切です。大きすぎる障子は圧迫感を与え、小さすぎると存在感が薄れてしまいます。また、障子の枠組みは部屋のインテリアとの調和を考慮して選ぶ必要があります。
さらに、額入り障子は建具のため、開閉のしやすさに配慮が必要です。特に引き戸タイプの場合、スムーズに開閉できるかどうかを確認しましょう。また、障子を閉めたときに隙間ができないかも重要なポイントです。
最後に、額入り障子は定期的なメンテナンスが必要です。枠組みや障子紙に汚れや傷がつくと、美観を損ねるだけでなく、耐久性にも影響が出ます。使用環境や頻度に応じて、定期的に掃除や補修を行い、長く愛用できるようにしましょう。