本鳥の子紙とは|襖の上張り用高級紙

良い家をつくりたい。
先生、『本鳥の子紙』について教えてください。

建築とインテリア研究家
『本鳥の子紙』とは、襖に貼る最高級の襖紙で、野生の雁皮を原料に手漉きしたものだよ。特徴として、紙肌が柔らかく、独特の艶があって、湿気に強く保存性が高いんだ。

良い家をつくりたい。
雁皮が原料なんですか。どんな性質があるんですか?

建築とインテリア研究家
雁皮は丈夫で柔軟性があるのが特徴で、そこから作られる『本鳥の子紙』も丈夫で破れにくいんだ。また、湿気に強いので、襖紙として最適なんだよ。
本鳥の子紙とは。
日本の伝統家屋で使われる「本鳥の子紙」は、襖の表張りなどに用いられる最高級の襖紙です。野生のがんぴ(ジンチョウゲ科の植物)を原料に、手漉きでつくられます。
本鳥の子紙の特徴は、柔らかな紙肌と、赤みのかかった淡い黄色「鳥の子色」と呼ばれる色合い。独特の光沢を持ち、湿気に強く、保存性に優れています。
江戸時代には、福井県の越前地方産の鳥の子紙が最高級品として珍重されていました。
本鳥の子紙の特徴

本鳥の子紙とは、襖の上張りに使用する最高級の和紙です。特徴として、まず挙げられるのはその耐久性。通常の上張り紙に比べて、破れにくく長持ちする性質を持っています。また、光沢があり、絹のようななめらかな感触も魅力です。さらに、吸放湿性が高いので、襖内の湿度を調節し、快適な空間を保つ効果もあります。
本鳥の子紙の原料と製法

本鳥の子紙とは襖の上張りに使用される高級な紙の製造過程を紐解いていきます。原料として用いられるのは、雁皮(がんぴ)の繊維です。雁皮とは、ジンチョウゲ科の多年草で、山間部の日陰地に生息しています。雁皮の皮から取り出した繊維は、丈夫で光沢があり、本鳥の子紙の特徴的な風合いを生み出します。
製造工程は複雑で手間暇がかかります。初めに、雁皮の皮を剥ぎ、繊維を取り出します。繊維は、煮沸やさらしなどの処理を経て、不純物を取り除きます。次に、繊維を水に溶かし、漉き上げを行います。このとき、雁皮繊維の量を調整することで、紙の厚みや質感が変化します。最後に、漉き上げた紙を乾燥させ、仕上げを行います。
本鳥の子紙の色と質感

「本鳥の子紙の色と質感」というの下では、本鳥の子紙の独特な美しさについて詳しく説明されています。本鳥の子紙は上質な楮(こうぞ)の繊維から作られるため、独特のつるっとした質感としっとりとした柔らかさが特徴です。また、繊維が絡み合うことで生まれる微妙な凹凸が、光を反射して美しい光沢を生み出しています。色の種類も豊富で、自然な生成色から、華やかな金銀色まで幅広く用意されています。本鳥の子紙は、襖の上張り用に限らず、書道や工芸品など、さまざまな用途でその美しさを発揮しています。
本鳥の子紙の用途

本鳥の子紙の用途
本鳥の子紙は、その優れた特性から、さまざまな用途で重宝されています。伝統的には、襖の上張りに使用され、部屋の仕切りや目隠しとして活躍しています。また、その堅牢性と耐久性を活かし、屏風や衝立などの芸術品にも用いられます。さらに近年では、和紙アートや書道など、工芸や芸術の分野でも活用され、その独特の風合いと表現力を高く評価されています。
本鳥の子紙の産地と歴史

本鳥の子紙の産地と歴史
本鳥の子紙は、主に愛知県半田市で生産されています。この地域は、紙の原材料となるコウゾの栽培に適した温暖な気候と豊富な水資源に恵まれています。本鳥の子紙の生産は江戸時代中期に始まり、当時は「半田紙」として知られていました。その後、鳥の子のように滑らかな風合いだったことから、「本鳥の子紙」と呼ばれるようになりました。以来、襖の上張り用として重宝され、日本伝統文化に不可欠な素材となっています。