ホオノキ:用途の広い木材の世界

良い家をつくりたい。
先生、「ホオノキ」ってどんな木か教えてください。

建築とインテリア研究家
ホオノキはモクレン科モクレン属の落葉広葉樹で、日本をはじめ東アジアに広く分布しているよ。

良い家をつくりたい。
どんな特徴がありますか?

建築とインテリア研究家
大きな葉っぱを持っていて、切削加工性が良く、乾燥後の歪みが少ないのが特徴だね。また、金属に触れても錆びないため、日本刀の鞘にも使われてきたよ。
ホオノキとは。
「ホオノキ」とは、モクレン科に属する落葉広葉樹で、モクレン属の一種です。日本全国、千島列島、朝鮮半島、中国に広く分布しています。樹高は30メートル、直径は1メートルほどにまで成長し、40センチにもなる大きな葉が特徴です。
別名は「ホオガシワ」と呼ばれ、辺材は灰白色、芯材は青みを帯びた灰緑色をしており、この2つの色の境界は明確です。加工性が非常に良く、乾燥後も歪みが少ないため、定規などにも用いられます。
また、金属に触れても錆びさせないという性質があり、そのため日本刀の鞘にもホオノキが使用されてきました。木質は均質で木肌が細かく、気乾比重は0.48です。彫刻の材料や器具材、楽器材などに用いられるほか、漆面の研磨に使用する「ホクタン」や、漢方薬の風邪薬にも利用されます。
ホオノキの木の特徴

ホオノキの特徴
ホオノキは、クスノキ科の常緑高木で、高さは30メートル以上にもなります。特徴的なのはその葉です。葉は革質で光沢があり、縁にはぎざぎざがあります。また、葉の両面には小さな腺があり、香り高い揮発性の物質を分泌します。ホオノキの幹は、灰褐色でまっすぐで、直径は50センチメートルを超えます。樹皮は縦に裂け目が入っており、コルク層が発達しています。
ホオノキの用途

ホオノキの用途は多岐にわたり、その耐久性の高い木材はさまざまな用途に活用されています。建築では、耐久性に優れ腐食に強いため、柱や梁などに使われます。また、家具や内装材としても重宝されており、その美しい木目が高級感を演出します。さらに、ホオノキの抗菌作用は、まな板や調理器具にも適しています。また、ホオノキの樹皮からは、和紙や薬品の材料が採れ、伝統工芸や医薬品の分野でも利用されています。
ホオノキの加工性

ホオノキの加工性は、その多用途性の要因の一つです。この木材は、加工が容易で、道具で削ったり、成形したり、接合したりできます。柔らかく、均質であるため、さまざまな用途に適応できます。また、釘やネジを打ち込みやすく、接着剤ともよく接着します。さらに、ホオノキは乾燥しやすい性質があり、変形や反りに対する耐性があります。こうした加工性のおかげで、ホオノキは家具やキャビネット、楽器、細工物などのさまざまな製品に使用されています。
ホオノキの特殊な用途

–ホオノキの特殊な用途–
ホオノキ材は、その汎用性の高さだけでなく、いくつかのユニークな用途でも知られています。航空機産業では、その軽さと強度からプロペラや翼の一部に使用されてきました。また、その耐腐食性と防水性から、船舶の甲板やその他の構造に使用されています。さらに、ホオノキは楽器の製造にも使用され、ギターやバイオリンなどの胴体やネックに使われています。
ホオノキの分布

ホオノキの分布
ホオノキは、世界中に生育する広葉樹の木です。特にアジア、北アメリカ、ヨーロッパに多く分布しています。アジアでは、日本、中国、韓国、台湾などに広く見られます。北アメリカでは、主に東部の落葉樹林地帯に分布しており、特に大西洋岸中部の森林でよく見られます。ヨーロッパでは、主に中央部と南部に分布しています。