ジョージアン様式とは?歴史と特徴を解説

良い家をつくりたい。
先生、「ジョージアン様式」について教えてください。

建築とインテリア研究家
ジョージアン様式は、18世紀初頭から19世紀初頭にかけての英国ジョージ朝の建築、家具、装飾芸術に見られる様式です。

良い家をつくりたい。
バロック様式やロココ様式に似ているそうですね。

建築とインテリア研究家
その通りです。洗練された優美で繊細なデザインが特徴です。
ジョージアン様式とは。
「ジョージアン様式」は、住宅やインテリアにおける建築様式で、英国王ジョージ1世が即位した1714年からジョージ4世が没した1830年までの、同名の4名の国王統治下に生まれた様式を指します。同時期に作られた建築物、家具、銀器などに用いられました。バロック様式やロココ様式の影響を受け、洗練され、優雅で繊細なデザインを特徴としています。
ジョージアン様式の概要

ジョージアン様式とは、18世紀から19世紀にかけてイギリスで流行した建築様式です。この様式は、簡潔で洗練されたデザイン、調和のとれたプロポーション、装飾の控え目さで知られています。ジョージアン様式の建物は、しばしば正方形または長方形の平面を持ち、赤レンガや石灰岩で作られています。正面には、対称的なファサードがあり、中央に玄関ポーチが配置されているのが特徴です。
歴史的背景

この建築様式は、18世紀半ばから19世紀初頭の英国におけるジョージ王朝時代に発生しました。産業革命による経済的繁栄や人口増加に伴い、洗練された都市建築への需要が高まったことが背景にあります。また、古代ギリシャやローマの古典建築の再発見も、ジョージアン様式の形成に大きな影響を与えました。上流階級や裕福な商人が、都市部やカントリーサイドに、調和の取れた優雅な住宅を建設しました。
特徴的なデザイン要素

ジョージアン様式の特徴的なデザイン要素には、以下のようなものがあります。
– シンメトリー建物のファサードは、左右対称に設計されていることが多く、バランスの取れた外観を作り出します。
– 連続する窓ジョージアン様式の建物は通常、窓が連続して並んでいます。窓は通常小さく、上部にアーチ状または角ばった額縁がついています。
– 石造りの外壁赤レンガ、石灰岩、砂岩などの石材が外壁に使用されます。レンガ造りの壁は、漆喰で覆われていることが多いです。
– ひさし建物の入り口の上には、しばしばひさしがあります。ひさしは、雨や日光から建物を保護します。
– 柱頭柱の最上部には、イオニア式、コリント式、ドリス式などのオーダーにちなんだ柱頭が施されています。
家具

家具もジョージアン様式の重要な特徴です。この時代の家具は、マホガニーやウォールナットなどの高級木材で作られ、しばしば複雑な彫刻やインレイが施されていました。特徴的なスタイルとしては、脚が細いキャビネットや、曲線型の背面を持つ椅子があります。ジョージアン様式の家具は、その洗練された美しさ、機能性、品質で高く評価され、現代でも人気の高いデザインとなっています。
応用例

応用例
ジョージアン様式は、住宅や公共建築だけでなく、さまざまな用途で用いられました。住居としては、裕福な商人と専門職の人々が好んで建てていました。また、公的建造物においては、裁判所、学校、病院など、権威と 威厳を必要とする建物に多く採用されました。ジョージアン様式の建物は、今日も世界中で見ることができ、米国のコロンビア特別区やイギリスのバース市などの都市では、街並みを特徴づけるものとなっています。