源氏襖の基礎知識

良い家をつくりたい。
「源氏襖」ってどういうものですか?

建築とインテリア研究家
源氏襖とは、障子が組み込まれた襖で、明かりを取るために用いられるものだよ。中抜き襖とも呼ばれるよ。

良い家をつくりたい。
障子が組み込まれてるんですね。それで『倹飩式』って何ですか?

建築とインテリア研究家
倹飩式というのは、開閉方式の一つで、わずかに上へ上げて外すことができる仕組みだよ。上下の溝にはまっているため、引き違い戸のように一部だけ開けることはできないんだ。
源氏襖とは。
住宅やインテリアの用語で「源氏襖」というものがあります。これは、明かりを取り入れるために障子が組み込まれた襖のことです。別名では「中抜き襖」とも呼ばれます。
源氏襖の表側は障子の組子が見えます。この障子は、外れやすいように「倹飩式」になっているものもあります。倹飩式とは、扉や建具などをわずかに上へ持ち上げて外せるようにした開閉方式のことです。
上下の溝にはまっているため、引き違い戸のように一部だけを開けることはできません。開けるか閉めるかのどちらかになります。小さな障子に用いられることが多くありますが、建具の格子部分の取り外しにも使われます。
源氏襖の障子の取り付け方は、襖の中央の縦方向や横方向、上部の横方向などがあります。また、2枚の襖が対になるように取り付けられているものもあります。
源氏襖とは何か

源氏襖とは、室町時代に隆盛した障壁画の一種です。屏風絵のように紙に描かれた絵を襖に貼り付けたもので、物語や古典文学の一場面を題材に描かれています。中でも「源氏物語」の場面を描いたものが特に多く、これが名称の由来となっています。絵は金箔や銀箔を背景に、人物や建物が鮮やかに描かれ、豪華絢爛な雰囲気が特徴です。京都の金閣寺や銀閣寺、彦根城など、全国の多くの寺社や城郭に源氏襖が残されています。
源氏襖の構造

源氏襖の構造は、その特徴的な構造によって形成されています。この襖は、桐材の骨組みを組み合わせて作られた丈夫な枠組みを基盤としています。この枠組みは、複数の薄い板で覆われており、紙の障子が貼られています。襖の開閉を可能にするために、連動する軸棒が枠の中央に取り付けられています。また、襖の縁には、装飾的な金具や縁取りが施されており、芸術的な美しさが加えられています。
源氏襖の取り付け方

源氏襖の取り付け方
源氏襖を取り付けるには、専門的な技術が必要です。一般的な設置方法は、襖枠にレールを取り付け、襖をそのレールに滑り込ませる方法です。まず、襖枠を壁や柱にしっかりと固定し、レールを襖枠に埋め込みます。次に、襖に滑り止めを取り付け、襖をレールに滑り込ませれば完成です。ただし、源氏襖は繊細なため、取り付ける前に寸法を正確に測り、専門の業者に依頼することをお勧めします。
倹飩式の仕組み

倹飩式の仕組み
倹飩式とは、源氏襖の枠組みを簡略化した工法です。従来の源氏襖は、骨組みとなる縦桟を上下に貫で連結していましたが、倹飩式では貫を省略します。これにより、構造が簡素化され、制作工程が効率化されます。
具体的には、縦桟の代わりに太い丸い竹(倹飩)を使用し、これを上下の枠に貫き通して固定します。倹飩は、竹の柔軟性を利用して湾曲させ、枠に沿わせます。この構造により、貫を省きながら、強度を確保できます。
倹飩式の利点は、工数の削減とコストの低減です。また、軽量化にもつながり、襖の開閉がスムーズになります。ただし、耐久性は若干劣るため、使用用途に応じた選択が必要です。
源氏襖の活用方法

源氏襖の活用方法
源氏襖は、その美しさから、さまざまなシーンで活用されています。伝統的な和室に設置するのはもちろん、モダンなインテリアのアクセントとしても人気があります。襖は、部屋の仕切りや目隠しの役割だけでなく、絵画のような装飾品としても楽しむことができます。また、襖紙の種類や色を変えることで、季節や気分に合わせて部屋の雰囲気を簡単に変えることができます。さらに、源氏襖は耐久性にも優れているため、頻繁に開閉する場所でも安心して使用できます。