『カキ』から探る和の趣き

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『カキ』から探る和の趣き

良い家をつくりたい。

先生、「カキ」という木について教えてください。

建築とインテリア研究家

「カキ」とはカキノキ科カキノキ属の落葉樹の総称です。食用果実を得るために栽培されています。

良い家をつくりたい。

重硬な木質なんですね。建材には使わないんですか?

建築とインテリア研究家

加工が困難で割れやすいので、装飾材以外の建材には用いられません。

カキとは。

インテリアにおける「カキ」とは、カキノキ科カキノキ属の落葉樹を指します。正式名称は「カキノキ」です。

カキノキには1000種類以上あると言われていますが、主に食用として栽培されています。東アジア固有種で、日本や中国の長江流域に多く自生しています。

カキノキの木材は重硬ですが、加工が難しく割れやすい性質があります。そのため、建材には装飾材以外で用いられません。

辺材と心材の境目は曖昧で淡い褐色をしています。中に黒色の縞 模様があるものは特に「クロガキ」と呼ばれ珍重されています。

日本のカキは「ジャパニーズパーシモン」とも呼ばれ、ヨーロッパや北米には日本から伝わって「パーシモン」と呼ばれています。パーシモンは過去にはゴルフクラブのヘッドにも使われていました。

カキの基礎知識

カキの基礎知識

「カキの基礎知識」

カキは、秋から冬にかけて旬を迎える、濃厚な甘さとプリプリとした食感が特徴的な果物です。日本では古くから栽培されており、和歌や俳句など多くの文学作品にも登場するなど、日本文化に深く根ざした食材です。

カキには、「富有柿」「次郎柿」「禅寺丸柿」など、さまざまな品種があり、それぞれに異なる味わいや特徴があります。また、栽培方法によって「渋柿」と「甘柿」に分けられ、前者は渋を抜いて甘くなります。カキの木は丈夫で栽培しやすく、日本全国で広く栽培されています。

建材としてのカキ

建材としてのカキ

住宅建築において、カキは建材としてその独特の風合いが珍重されています。カキの貝殻は、その光沢があり丈夫な性質から、屋根瓦や装飾用途に使用されてきました。また、カキの貝殻を粉末化した「牡蠣殻粉」は、漆喰の材料として使用されています。カキの貝殻に含まれる炭酸カルシウムが、漆喰を硬化させ、耐水性と耐久性を高める効果があります。さらに、カキの殻を砕いた「カキ殻サンド」は、庭園や玄関アプローチの敷砂として活用されており、その独特の質感と色合いが和の趣きを演出します。

装飾材としてのカキ

装飾材としてのカキ

装飾材としてのカキは、日常生活の中でさまざまな形で用いられてきました。カキの殻の持つ独特の形状と光沢が、装飾品や工芸品に活かされています。例えば、貝殻細工の装飾品は、その繊細な模様と華麗な色合いが特徴です。また、カキの殻を砕いて粉末にしたものも、漆器などの塗り物の材料として使われてきました。この粉末は、貝殻の光沢と耐久性を塗り物に付与します。さらに、カキの殻は、神社や寺などの建築物の装飾にも用いられました。屋根や壁に貝殻を埋め込むことで、きらびやかな輝きが加えられ、神聖で荘厳な雰囲気を醸し出しています。このように、カキの殻は、日本文化において古くから装飾材として重宝されてきたのです。

日本の文化におけるカキ

日本の文化におけるカキ

日本の文化におけるカキ

日本において、カキは単なる果物ではなく、豊かな文化的伝統を持つ重要なシンボルです。古代から、カキは日本で大切にされており、和歌や俳句など文学作品に登場し、伝統的な儀式や祭事にも使われてきました。また、カキは長寿や繁栄の象徴とみなされ、お祝いの席で贈り物としても用いられています。

カキにまつわる逸話

カキにまつわる逸話

カキにまつわる逸話は、和の文化において彩りを添えています。例えば、柿本人麻呂の和歌には、柿を詠んだものが数多くあります。柿本人麻呂は、柿を「赤駒(あかこま)」と呼び、その鮮やかな赤色を称賛しました。また、藤原清輔の「百人一首」にも、「秋来ぬと目にはさやかに見えねどもされど風は寒くなりぬか」という、柿の熟した頃を詠んだ歌が収められています。このように、柿は古くから日本の文学に親しまれてきたのです。

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