知っておきたい「土壁」の魅力と特徴

良い家をつくりたい。
先生、『土壁』について教えてください。

建築とインテリア研究家
土壁とは、土を使った壁のことだよ。日本の気候に適していて、湿度や温度が安定しているのが特徴なんだ。

良い家をつくりたい。
なるほど、日本の気候に適しているんですね。ところで、壁紙との違いはありますか?

建築とインテリア研究家
壁紙は紙やビニール素材なので、調湿機能がないんだ。一方、土壁は土ならではの調湿機能があるから、室内の湿度を快適に保てるよ。また、耐久性が高く、耐震性や防火性にも優れているんだ。
土壁とは。
「土壁」と呼ばれる伝統的な建築用語について紐解きましょう。土壁とは、土を材料とした、左官仕上げの壁全般を指します。日本の高温多湿な気候風土に適しており、湿度や温度を調節する機能に優れています。
内壁では「錆砂壁」が、内外装の壁では「聚楽壁」「漆喰壁」「珪藻土壁」などが用いられます。かつては「竹小舞」が下地として使用されていましたが、近年では「ラスボード」が主流です。
土壁の魅力は、壁紙にはない独自のメリットにあります。それらやリフォームの工法、工期、費用の目安などについてもご紹介します。
土壁とは?

-土壁とは?-
土壁とは、土を主要成分として作られる壁のことです。土壁に使用される土は、粘土質のものや、砂や砂利を混ぜたものが多く用いられます。土壁には、古くから日本の伝統的な建築物で使用されてきたという歴史があります。神社や寺院、民家など、さまざまな建築物で見ることができます。
土壁の特徴

-土壁の特徴-
土壁は、古くから日本の伝統的な建築方法として用いられてきた、自然素材を原料とした壁材です。土壁の特徴として、調湿性に優れていることが挙げられます。土は多孔質のため、空気中の湿気を吸湿・放湿する性質を持ちます。これにより、室内の湿度を一定に保ち、快適な住環境を実現します。
また、土壁は耐火性に優れています。土は粘土鉱物や砂などの不燃性の物質で構成されており、火災時の延焼を抑制する効果があります。さらに、土壁は耐震性に優れています。土は柔軟性があるため、地震時の揺れに対しても適度にたわむことができ、倒壊を防ぎます。
さらに、土壁は断熱性に優れています。土は熱伝導率が低いため、室内の温度を一定に保ちます。冬は暖かさを保ち、夏は涼しさを保つ効果が期待できます。これにより、光熱費の削減にもつながります。
土壁のメリット

土壁のメリットは、その天然の構成にあります。土は調湿性に優れ、湿気を吸収・放出することで室内の湿度を調節してくれます。また、断熱性が高いため、夏は涼しく冬は暖かく、快適な居住環境を保ちます。さらに、土壁は耐火性が高く、火災の際に延焼を防ぎます。また、土は有害物質を吸着する性質があるため、空気中のホルムアルデヒドやベンゼンなどの揮発性有機化合物(VOC)を除去し、健康的な室内環境を維持します。
土壁を壁紙と比較

一般的に壁紙よりも土壁のほうが費用が高くなりますが、耐久性と調湿性に優れているため、長期的にはコストパフォーマンスに優れます。また、土壁は自然素材であるため、ホルムアルデヒドなどの有害物質を発散しません。さらに、調湿性に優れた土壁は、部屋の湿度を調整して結露やカビの発生を抑えることができます。壁紙はデザインが豊富で、気軽に模様替えができるというメリットがありますが、耐久性は土壁に劣り、定期的な張り替えが必要になります。
土壁リフォームの方法と費用

土壁リフォームの手段
土壁は歴史のある伝統的な建築様式ですが、年月とともに劣化や損傷することもあります。そんなときにおすすめなのが土壁リフォームです。主なリフォーム方法としては、土を塗り替える「塗り替え工法」と、土を完全に取り除き新しく塗り直す「取り替え工法」の2種類があります。塗り替え工法は費用を抑えられますが、土壁の強度が低下している場合は取り替え工法を選択せざるを得ません。
土壁リフォームの費用
土壁リフォームの費用は、リフォーム方法や土壁の面積によって大きく異なります。塗り替え工法は1平方メートルあたり約5,000〜10,000円が相場です。一方、取り替え工法はより手間と時間がかかるため、1平方メートルあたり約10,000〜20,000円が目安となります。また、土壁の中にアスベストが含まれている場合には、アスベスト除去費用も必要になる場合があります。