バロック様式:豪華さと躍動感の芸術と建築

良い家をつくりたい。
先生、バロック様式ってどういう意味ですか?

建築とインテリア研究家
それはポルトガル語で『ゆがんだ真珠』を意味する言葉から来ています。

良い家をつくりたい。
じゃあ、ルネッサンス様式とは何が違うんですか?

建築とインテリア研究家
ルネッサンス様式は端正で静的ですが、バロック様式は華麗で躍動的です。また、モチーフもルネッサンス様式が円形なのに対し、バロック様式は楕円形を多用しています。
バロック様式とは
「バロック様式」は、16~17世紀にヨーロッパで流行した建築や芸術の一種です。ローマやフィレンツェで生まれ、その語源はポルトガル語で「ゆがんだ真珠」を意味する「バロッコ」と言われています。
バロック様式の特徴は、ルネサンス様式の静的かつ端正な円形モチーフとは対照的に、華やかで重厚、躍動感にあふれ、楕円形をモチーフとした装飾性が目立ちます。
代表的なバロック建築には、ローマのサンピエトロ大聖堂、ジェズ教会、フランスのルーブル宮殿、オーストリアのシェーンブルン宮殿などがあり、いずれも豪華絢爛な装飾が施されています。
バロック様式の起源と名前の由来

バロック様式は、16世紀末から18世紀半ばにかけてヨーロッパで流行した芸術と建築の様式です。その起源は、ルネサンス期後期のイタリアのマニエリスム様式にさかのぼります。マニエリスムは、人為的でのびやかな形態と鮮やかな色彩を特徴としていました。
この様式がバロック様式と呼ばれるようになったのは、ポルトガル語の「barroco」に由来します。この言葉は「いびつな真珠」や「不規則な形」を意味します。バロック様式は、ねじれた柱、複雑な装飾、急激な明暗のコントラストといった特徴から、この名で呼ばれるようになりました。これらの特徴は、マニエリスムの洗練された優雅さとは対照的で、より豪華で躍動感のある表現を生み出しました。
ルネッサンス様式との違い

バロック様式特有の豪華さと躍動感は、ルネッサンス様式とは大きく異なる。バロック様式では、曲線、渦巻き、装飾的なモチーフがふんだんに取り入れられ、ルネッサンス様式の調和と均整のとれた美学とは対照的である。さらに、バロック様式は大規模で劇的な効果を生み出すことを目的としており、巨大な建物、堂々としたファサード、そして感動的な絵画や彫刻が特徴である。一方、ルネッサンス様式は人間中心の美学を強調しており、比例、対称性、調和に重点が置かれている。
バロック様式の建築の特徴

バロック様式の建築の特徴は、その豪華さと躍動感にあります。バロック建築は、複雑な曲線、湾曲したファサード、大胆な装飾が特徴です。特徴的なのは、円柱、アーチ、ヴォールトなどの建築的要素の組み合わせによる、動きとドラマチックな効果の創出です。また、大規模な庭園と都市計画もバロック様式の重要な要素で、建物の美観と都市の全体的な調和を強調しています。
代表的なバロック様式の建築物

バロック様式の建築は、その豪華さと躍動感で知られています。代表的なバロック様式の建造物には、以下のものがあります。
-サン・ピエトロ大聖堂(バチカン市国)-ミケランジェロが設計した巨大な大聖堂で、バロック様式の頂点を極める巨大なクーポラが特徴です。
-ベルサイユ宮殿(フランス)-ルイ14世によって建てられた豪華な宮殿で、広大な庭園と華麗な内装が有名です。
-サン・カルロ・アッレ・クアトロ・フォンターネ聖堂(イタリア、ローマ)-フランチェスコ・ボッロミーニが設計した教会で、曲線的なファサードと楕円形のドローイングルームが特徴です。
-ブレナン宮殿(チェコ、プラハ)-17世紀に建てられた宮殿で、見事なバロック様式のファサードとロココ様式の調度品が特徴です。
-ツヴィンガー宮殿(ドイツ、ドレスデン)-18世紀初頭に建てられた宮殿で、複雑な石造りのファサードと庭園が特徴です。
現代におけるバロック様式の影響

現代においても、バロック様式は美術や建築に影響を与え続けています。その豪華さと躍動感の美学は、現代美術の様々な芸術運動にインスピレーションの源となっています。例えば、現代の野外彫刻やインスタレーションでは、バロック様式の曲線や動きを使用することで、視覚的なダイナミズムを生み出しています。また、建築においても、現代建築のファサードやインテリアに、バロック様式の装飾的なモティーフや非対称性が取り入れられています。これにより、現代的な建築空間に、ドラマチックで魅惑的な雰囲気を作り出しています。