毛氈のいろは:伝統的な和風カーペットの世界

良い家をつくりたい。
毛氈ってどんなものですか?

建築とインテリア研究家
毛氈は、獣毛を原料としたフェルト状の敷物のことだよ。茶道や寺院で、和風カーペットとして使われているんだ。

良い家をつくりたい。
フェルト状ってどういうことですか?

建築とインテリア研究家
フェルト状というのは、繊維が絡み合って厚みのある、柔らかい布のような状態のことだよ。毛氈は、羊毛やヤギの毛などを圧縮して作られるんだ。
毛氈とは。
「毛氈」とは、家やインテリアで用いられる用語で、獣毛を原料としたフワフワな敷物のことです。茶道では茶室の床に、また寺院では廊下に和風のカーペットとして使われています。
毛氈とは何か?

毛氈とは、伝統的な日本のカーペットであり、その風合いと耐久性で知られています。羊や山羊の毛で作られ、通常は手作業で織り上げられます。毛氈は一般的に厚く、床へのクッション性と保温性を提供します。その構造は、硬く編まれた経糸と、柔らかく、空気を含む緯糸から成っています。この独特の組み合わせにより、毛氈は快適さと耐久性を両立しています。また、毛氈は、防音や吸湿発散などの実用的な特性も備えています。
毛氈の歴史と種類

-毛氈の歴史と種類-
毛氈(もうせん)とは、羊毛や山羊毛を原料とする伝統的な和風カーペットです。その歴史は古く、平安時代にはすでに存在していたとされています。当初は貴族や僧侶の座具として使用されていましたが、江戸時代になると庶民の間でも広く普及しました。
毛氈には、織り方や毛並みによってさまざまな種類があります。最も一般的なのは、平織りで表面がなめらかな「平毛氈」です。また、「付毛氈」は起毛加工により表面に毛羽立ちがあり、保温性に優れています。さらに、「緞通(だんつう)」は、柄織りによる装飾が施された華やかな毛氈です。織り目によって異なる風合いが楽しめるのが特徴です。
茶道における毛氈の重要性

茶道において、毛氈は重要な役割を担っています。茶室では、茶道具を扱う際に床の間を汚さないよう保護したり、茶道具が直接床に触れないように保護したりするための敷物として用いられます。また、茶室内での動きをスムーズにし、静寂な雰囲気を演出する役割も果たしています。
茶道では、茶室の床の間の正面に置かれる「上座」と呼ばれる場所に毛氈が敷かれます。上座は、茶道具を飾ったり、茶人同士がお茶をいただく際に座ったりする場所です。毛氈は上座の格を高め、荘厳な雰囲気を醸し出します。
寺院における毛氈の用途

寺院における毛氈の用途
毛氈は、寺院においても重要な役割を果たしています。仏壇の前や仏具の下に敷かれることで、神聖な空間を作り出し、荘厳な雰囲気を演出します。また、僧侶が座禅や法要を行なう際の座布団としても用いられ、瞑想や祈りへの集中力を高めます。
加えて、毛氈は寺院内の床を保護する役割も担っています。足を踏んづけることですり減りや汚れから床を守り、寺院の美観を保つのに役立ちます。寺院における毛氈は、単なる装飾品ではなく、神聖な空間の維持と祈りの支えとして、重要な役割を果たしているのです。
現代における毛氈の活用

現代において、毛氈は伝統的な和風カーペットとしてだけでなく、幅広く活用されています。現代のインテリアデザインでは、現代的な要素を取り入れながら、毛氈の持つ伝統的な美しさを生かした空間が人気を集めています。また、防音や保温効果の高さが評価され、オフィスや商業施設でも活用されています。さらに、毛氈をバッグや小物などのファッションアイテムに取り入れるなど、さまざまな分野でその可能性が探求されています。