紅白幕のすべて

良い家をつくりたい。
先生、『紅白幕』ってどういうものですか?

建築とインテリア研究家
それは、祝事の際に使用される縦じまの幕で、赤と白の色で構成されています。結婚式、入学式、卒業式、竣工式、新規開店などで見ることができます。

良い家をつくりたい。
なるほど、祝事の目印になるものなんですね。

建築とインテリア研究家
その通りです。祝賀の気持ちを表現する、縁起の良いアイテムとしての役割を果たしています。
紅白幕とは
「紅白幕」とは、結婚式や入学式、卒業式、竣工式、開店などのおめでたい行事に使われる、赤と白の縦縞模様の幕のことです。
紅白幕の歴史と由来

紅白幕の起源は、古くから神事や祭礼の際に、神聖な場所や結界を表すために使用されてきた神籬(ひもろぎ)に遡ります。神籬は、竹や木に和幣(にぎて)という紙垂(しで)を付けたもので、神を招き迎えるための依り代として用いられてきました。この神籬が平安時代頃から、赤色と白色の布をつけた「幣帛(へいはく)」へと変化し、次第に神社や神事の際に使用されるようになったのです。
その後、室町時代に「紅白幕」と呼ばれるようになりました。これは、赤色は太陽や血の色を表し、生命力や繁栄を、白色は清浄や神聖さを象徴していたためです。紅白幕は、神聖な場所を清め、神様をお迎えするために使用されるようになり、やがてお祝い事や祝い事の際にも用いられるようになりました。
紅白幕の種類と用途

紅白幕は、用途に応じてさまざまな種類があります。最も一般的なのは「スタンダードタイプ」で、幅が1.5m、長さが3mと比較的コンパクトです。これは、小さな店舗や住宅などの小規模なイベントに適しています。また、幅が2m、長さが5mの「特大タイプ」もあり、結婚式や祝賀会などの大規模なイベントでよく使用されます。
用途としては、新築祝いなどの開店や開業のお祝いに用いる祝い幕として使われることが多く、赤を上、白を下に、中央に「祝」の文字が入ったものが一般的です。また、地鎮祭や上棟式など、神事に関する行事の際に使用される神事幕では、赤を上、白を下に、中央に「奉祝」の文字が入ったものが用いられます。さらに、商業施設や神社など、常設的に掲げる装飾幕もあり、こちらは赤と白の格子柄や華やかな柄が入っているものが多く見られます。
紅白幕の正しい飾り方

紅白幕を飾る際には、正しい向きと順番があります。一般的に、日の丸と同じく、白を上、赤を下にして使用します。複数の幕を並べる場合は、左から白・赤・白の順になります。
また、紅白幕の長さは軒から地面まで届く必要があります。軒よりも短い場合は、紅白幕を結んで軒に吊るしましょう。逆に長すぎる場合は、地面に垂れる部分を折り返すか、まとめるようにしてください。
結び方は、蝶結びまたは固結びが一般的です。蝶結びの場合、縁起の良い「おめでたい」という意味合いがあります。
最後に、紅白幕を飾る際は、風によってめくれないようにしっかりと固定しましょう。柱や壁に紐でくくりつけ、安定した状態を保ってください。
紅白幕の処分方法

紅白幕は、お祝い事で使用される縁起の良いものであり、適切に処分することが求められます。一般的には、以下のような方法があります。
神社や寺に納める-神社や寺では、紅白幕をお祓いしてから処分してくれます。この方法では、神聖なものとして扱われ、適切な供養をしてもらえます。
粗大ごみとして出す-自治体によっては、粗大ごみとして回収してくれる場合があります。ただし、自治体によって処分方法が異なるので、事前に確認する必要があります。
リサイクルとして処分する-プラスチックや布製の紅白幕は、一部の自治体やリサイクル業者で回収してくれます。ただし、汚れたものや破損しているものは回収されない場合があるので注意が必要です。
紅白幕の豆知識

紅白幕は祝いの場に欠かせない装飾品ですが、そこには様々な豆知識が隠されています。まず、紅白幕に用いられる色は、赤が魔除け、白が神聖や清浄を意味しています。また、幕の形状も重要で、垂れ幕状の「のれん」は魔除けや結界の意味を持ち、横断幕状の「横幕」は天からの加護を表します。さらに、紅白幕を飾る位置にも決まりがあり、家の中央に「大屋根幕」を掲げ、周囲に「小屋根幕」を配置するのが一般的な様式です。このように、紅白幕は単なる装飾品ではなく、古くから伝わる伝統的な魔除けや加護祈願のシンボルなのです。