緞通・段通の基礎知識

良い家をつくりたい。
緞通について教えてください。

建築とインテリア研究家
緞通は、歴史の古い手織りのカーペットで、パイルを1本1本結びながら織っていきます。

良い家をつくりたい。
パイルの結び方はどのような種類がありますか?

建築とインテリア研究家
ペルシャ結びとトルコ結びの2種類があります。ペルシャ結びはペルシャ緞通に、トルコ結びはヘルケシルク緞通に使用されています。
緞通・段通とは。
「緞通」と呼ばれる家やインテリアで使われる織物は、中国語の「毯子(たんつー)」に由来しているといわれ、最古の手織りカーペットとして知られています。
緞通の織り方は、経糸(たて糸)にパイル(毛足)を結び、それを1本ずつ切りながら織るというものです。パイルの結び方には、ペルシャ緞通に見られる「ペルシャ結び」と、トルコのヘルケシルク緞通に見られる「トルコ結び」の2種類があります。
緞通の品質は、単位面積あたりのパイルの数で決まります。パイルの数が多いほど、手間がかかり、品質も優れています。
緞通の歴史と由来

-緞通の歴史と由来-
緞通は、中央アジアで生まれた伝統的な絨毯の一種です。起源は13世紀頃まで遡り、遊牧民が羊の毛やヤギの毛を使用して、移動式の住居を暖かく快適にするために作っていました。
16世紀以降、緞通はペルシャ(現在のイラン)に伝わり、洗練され、芸術性の高いものへと進化しました。17世紀には、緞通はヨーロッパに輸入され、宮殿や教会などで贅沢品として珍重されました。
その後、19世紀にはジャカード織機の発明により、より精巧で複雑なデザインの緞通が生産できるようになりました。現在では、緞通は世界各地で生産されており、伝統的なスタイルから現代的なデザインまで、さまざまな種類があります。
緞通の製法

緞通の製法では、その独特な織り技術について解説します。緞通は「パイル織り」の一種で、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の交差する部分に小さな輪状のパイル糸を結びつけていくことで模様を表現しています。このパイル糸の密度は、緞通の質感を左右する重要な要素です。
織り上げる際には、手で結ぶ「手織り」と機械で結ぶ「機械織り」の2つの方法があります。手織りは伝統的な手法で、熟練の職人が一本ずつパイル糸を結んでいきます。そのため、時間がかかり、高価ですが、細かい模様や複雑なデザインにも対応できます。一方、機械織りは生産性が高く、大量生産に向いています。
パイルの結び方

パイルの結び方は、緞通・段通の品質を左右する重要な要素です。一般的な結び方は2種類あります。
「シングル・ノット」は、糸を杭に一度だけ巻き付ける結び方で、丈夫さと耐久性に優れています。しかし、表面が少し粗くなります。
もう一方の「ダブル・ノット」は、糸を杭に2回巻き付ける結び方で、表面が滑らかで毛足の密度が高いのが特長です。その結果、高級感が出ますが、シングル・ノットよりもコストが高くなります。
パイルの結び方は、緞通・段通の見た目、手触り、耐久性に影響を与えます。用途や好みに応じて、最適な結び方を選択することが大切です。
緞通の品質

緞通の品質は、使用する素材や織り方によって大きく異なります。最高級とされるのは、シルクやウールの房糸を使用した珠玉織りの緞通です。その緻密で滑らかな手触りは贅沢そのもの。一方、綿や化繊の房糸を使った通常織りの緞通は、耐久性やお手頃な価格が魅力です。また、伝統的な手織りの緞通は、職人の技術が反映されており、一点ものの芸術品としての価値も高く評価されています。
緞通の種類

-緞通の種類-
緞通は、その素材や織り方によってさまざまな種類に分類できます。
素材による分類では、主にウール、シルク、ナイロン、レーヨンなどの繊維が用いられています。ウール製は耐久性に優れ、シルク製は光沢としなやかさが特徴です。ナイロン製は汚れにくく、レーヨン製は発色が鮮やかなのが特長です。
織り方による分類では、大きく分けて「手織り」と「機械織り」があります。手織りは職人が一本一本手作業で糸を通すため、繊細で芸術性が高いです。機械織りは効率的かつ大量生産が可能で、手織りに比べて安価です。
このほかにも、デザインによる分類では幾何学模様や花柄、形状による分類では正方形や長方形などの種類があります。用途や好みに応じて、さまざまな緞通の中から最適なものを選ぶことができます。