建築用語『ロマネスク様式』:特徴と代表建築

良い家をつくりたい。
ロマネスク様式ってどんな特徴があるんですか?

建築とインテリア研究家
石造りの厚い壁、小さな窓、開口部の上部に半円アーチを取り入れた点が特徴的だよ。

良い家をつくりたい。
なるほど、修道院や教会などの宗教建築で見られることが多いんですね。

建築とインテリア研究家
そう、主な建築物としてシュパイアー大聖堂やサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂などが有名だよ。
ロマネスク様式とは。
「ロマネスク様式」とは、10世紀末から12世紀にかけてヨーロッパで流行した建築様式です。後のゴシック様式とともに、中世ヨーロッパのイメージを形作っています。語源はフランス語の「ロマン(ローマ風)」とされています。
ロマネスク様式の建築は、厚い石造りの壁、小さな窓、開口部に半円アーチを用いるのが特徴です。主に修道院や教会などの宗教施設に見られます。有名な建築物には、ドイツのシュパイアー大聖堂、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂、イタリアのピサ大聖堂、フランスのノートルダム・デュ・ポール大聖堂などがあります。
ロマネスク様式とは

-ロマネスク様式とは-
ロマネスク様式とは、10世紀後半から12世紀半ばにかけて西ヨーロッパで発展した建築様式です。その特徴は、重量感のある石造り構造、半円アーチ、厚みのある壁、小さな窓などです。ロマネスク様式の建造物は、主に修道院や教会などの宗教施設に用いられました。
語源と特徴

-語源と特徴-
ロマネスク様式という言葉は、19世紀の建築史家が当時の中世建築様式を古代ローマ(ラテン語でロマネスク)の建築様式に由来すると考えたことに由来します。
この様式の特徴としては、厚みのある石壁と小さな窓が挙げられます。また、半円アーチ、頑丈な円柱、装飾の少ないファサードを備えています。ロマネスク様式の建築物は、要塞のような外観で、防衛の面も考慮されていました。
代表的な建造物(国内)

代表的な建造物(国内)
ロマネスク様式が日本に伝わったのは12世紀後半で、代表的な建造物としては、「法隆寺夢殿」や、「毛越寺(もうつうじ)」の「金色堂」があります。法隆寺夢殿は、1143年に創建された八角形の建物で、外壁には伝統的な組物(斗きょう)が施され、内部にはロマネスク建築の特徴であるアーチ構造が見られます。一方、毛越寺の金色堂は、1124年に創建された、かつて中尊寺にあった阿弥陀堂を移築したものです。須弥壇(しゅみだん)の須弥座(しゅみざ)に、ロマネスク様式の彫刻が施されており、大日如来像を囲む四天王像にはロマネスク様式の顔立ちが表れています。
代表的な建造物(海外)

代表的な建造物(海外)
ロマネスク様式を代表する建築物は世界中に数多くあります。フランスのノートルダム大聖堂は、12世紀初頭に建設されたロマネスク建築の傑作で、その象徴的な尖塔とフライングバットレスで知られています。スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂は、11世紀に建てられ、ロマネスク様式の円形聖堂と素晴らしいファサードを備えています。ドイツのヴォルムス大聖堂は、11世紀後半に建設されたロマネスク様式とゴシック様式の混合建築で、その印象的な赤い砂岩の塔が特徴です。イタリアのピサ大聖堂の有名な斜塔は、12世紀半ばにロマネスク様式で建設されました。また、イギリスのダラム大聖堂は、11世紀に建設され、ロマネスク様式の壮大な身廊と特徴的な半円形の聖歌隊席を備えています。
現代におけるロマネスク様式の影響

現代におけるロマネスク様式の影響
ロマネスク様式は、現代の建築にも依然として影響を与えています。その頑丈さとシンプルな形態は、重厚感と安定感を求める建物に適しています。近年では、教会、公共施設、住宅などの建築物でロマネスク様式が取り入れられています。
さらに、ロマネスク様式の特徴的な円形アーチや分厚い壁は、近代建築においても装飾的な要素として用いられています。美術館や大学などの文化施設では、ロマネスク様式を彷彿とさせる円形窓や石造りのアーチを見ることができます。また、住宅建築でも、ロマネスク様式からインスピレーションを得た素朴さと質実剛健さを表現するデザインが人気となっています。