気密住宅の基本とポイント

良い家をつくりたい。
先生、『気密住宅(きみつじゅうたく)』ってなんですか?

建築とインテリア研究家
『気密住宅』とは、気密性が高く、外気や湿気が室内に浸入しにくい住宅のことだよ。外壁や窓の隙間をできるだけ少なくして、熱の逃げ込みを防ぐんだ。

良い家をつくりたい。
断熱性や換気も大切なんですよね。

建築とインテリア研究家
その通り。断熱性があれば、室温を一定に保ちやすく、結露の発生を防げるよ。また、換気を適度に確保することで、室内の空気環境を良くし、快適性や健康にもつながるんだ。
気密住宅とは。
「気密住宅」は、住宅における専門用語です。これは、壁、窓、屋根の隙間を極力小さくし、外部の空気や湿気が室内に入りにくいように設計された住宅のことです。
気密住宅では、工場で生産された高精度の建築部材、防湿シート、断熱材、気密テープなどが用いられ、隙間を作らない構造が実現されています。隙間の有無は、室内外の熱の出入りを左右します。
気密性だけでなく、気密住宅では断熱性と換気も重視されています。断熱性に関しては、床、外壁、天井、屋根などの住宅全体の外気に接する部分に十分な断熱材を施すことがポイントです。また、開口部のサイズや高性能サッシの導入も効果的です。断熱性が低い場合、室内の壁面に温度差が生じて結露の原因になることがあります。
一方で、気密性能を向上させ過ぎると、室内の空気環境が悪化します。そのため、適切な換気量が確保されることが大切です。適度な空気の流れを生み出すことで、室内の温度差が緩和され、快適性が向上します。また、シックハウスや結露の対策にもつながります。
気密住宅とは?

気密住宅の定義気密住宅とは、建物内の空気の出入りを極力抑え、住環境の向上を図った住宅のことです。気密性能はC値という数値で表され、数値が低いほど気密性が高いとされています。一般的な住宅ではC値が5~10程度ですが、気密住宅では1.0以下に抑えることを目指します。これにより、室内の空気が外部に逃げるのを防ぎ、快適な温度や湿度を保つことができます。また、外気の影響を受けにくくなるため、光熱費の削減や結露の抑制にも効果的です。
気密住宅のメリット

気密住宅のメリットについて見ていきましょう。まず注目すべきは省エネ効果です。気密性の高い住宅では、隙間風による熱の損失を抑えることができるため、冷暖房の効率が上がり、光熱費を削減できます。また、気密性が高いことで結露の発生が抑制され、カビやダニの発生を抑えることができます。これにより、健康リスクが軽減され、快適な室内環境が保たれます。さらに、気密性の高い住宅は防音性にも優れており、騒音の侵入を防ぐことができます。静かな環境で生活を送ることでストレスを軽減できます。
気密住宅のデメリット

気密住宅のデメリットとして、まず挙げられるのが換気の悪さです。気密性を高めることで、屋内の空気が滞りやすくなります。そのため、換気を定期的に行わないと、湿気やカビの発生につながる可能性があります。
また、気密住宅では室内の空気がよどみやすいため、臭いが残りやすくなります。特に、料理やトイレの臭いはなかなか抜けない傾向があります。換気扇を回したり、窓を開けて換気をすることで臭い対策を講じる必要があります。
快適な気密住宅にするためのポイント

快適な気密住宅にするための要諦には、いくつかの重要な点があります。まず、高気密・高断熱の構造にすることです。これにより、外気の影響を受けにくくし、室内の温度や湿度を安定させます。また、換気設備を十分に整えることも不可欠です。新鮮な空気を常に取り入れ、室内にこもった湿気や汚染物質を除去することで、快適な室内環境を保ちます。さらに、窓やドアなどの開口部の気密性を高めることも重要です。隙間風を防ぐことで、熱損失を最小限に抑え、室内の快適性を向上させます。
気密住宅の施工例

気密住宅の施工例では、代表的な施工方法をご紹介します。まず、一般的な工法として知られる外断熱工法では、外壁に断熱材を貼ることで高い気密性が確保できます。一方、内部に断熱材を入れる内断熱工法では、壁と屋根の隙間に断熱材を充填することで気密性を高めます。さらに、壁の構造材に断熱材を挟み込む充填断熱工法は、気密性と断熱効果の両方を向上させます。また、基礎部分から断熱材を設置する基礎断熱工法は、地盤からの冷気や湿気を遮断するのに優れています。これらの施工方法に加えて、換気システムや気密測定も気密住宅にとって重要な要素となります。