防炎障子紙の基礎知識と活用方法

良い家をつくりたい。
先生、「防炎障子紙」って何ですか?

建築とインテリア研究家
「防炎障子紙」は、防炎処理を施した障子紙のことだよ。防炎化の方法には、紙をすく際に防炎剤を含ませる方法と、紙になってから防炎剤を含ませる方法があるんだ。

良い家をつくりたい。
どんなところで使われているんですか?

建築とインテリア研究家
公共施設やホテル、旅館などで採用されていることが多いよ。最近では、高齢者用福祉・医療施設でも増えているみたいだね。
防炎障子紙とは。
「防炎障子紙」は、火災の延焼を防ぐための処理が施された障子紙です。その方法は、紙を漉く際に防炎剤を加えるか、紙になってから防炎剤を塗布する方法があります。
防炎障子紙は、主に公共施設やホテル、旅館などで使用されています。近年では、高齢者福祉施設や医療施設でも採用が増えています。
防炎障子紙とは

防炎障子紙とは、火災の発生や拡大を防ぐために耐火加工を施された障子紙のことです。一般的な障子紙は燃えやすい性質がありますが、防炎障子紙は特殊な薬剤やコーティングを施すことで、火が触れても容易に燃え広がりません。これにより、火災の初期段階での延焼を抑制し、逃げ遅れによる被害を最小限に抑える効果が期待できます。
防炎処理の方法

防炎処理の方法
防炎障子紙を作成するには、障子紙に防炎剤を塗布する必要があります。一般的な防炎処理の方法として、塗布法と含浸法があります。塗布法は、障子紙に防炎剤を直接塗布する方法で、簡単かつコストを抑えた処理が可能ですが、耐久性にやや劣ります。一方、含浸法は、障子紙を防炎剤溶液に浸す方法で、より高い耐久性と防炎効果が得られますが、工程が複雑でコストも高くなります。
防炎障子紙の用途

防炎障子紙の用途は多岐にわたります。まず挙げられるのが、住宅における障子や襖などの建具です。障子紙は火災の際に延焼を抑える役割を果たし、襖紙には室内側の気密性を高める効果があります。
また、店舗や公共施設でも防炎障子紙が用いられています。これらの場所では、大量の人が出入りするため、火災が発生した際の延焼速度を遅らせることが重要です。防炎障子紙は、人々の避難時間を確保する上で重要な役割を果たします。
さらに、博物館や美術館では、貴重なものや美術品を火災から守る目的で防炎障子紙が使用されます。防炎障子紙は火の粉や熱から展示品を守り、文化財の保全に貢献します。
公共施設・ホテルでの活用

公共施設やホテルでは、防火対策が非常に重要です。防炎障子紙は、その高い耐火性能から、これらの施設で広く活用されています。公共施設では、図書館や学校、病院などの多くの人が利用する施設において、火災時の安全を確保するために防火性能が求められます。また、ホテルでも、宿泊客の安全を確保するため、防炎障子紙が客室や共用部に使用されています。特に、高層階にある客室や避難経路など、火災時に避難に時間がかかる可能性のある場所では、防炎障子紙の活用が不可欠です。
高齢者施設での活用

高齢者施設での活用
防炎障子紙は、高齢者施設でも役立てられています。施設内では火災時の安全性が重視されるため、防炎性能を備えた資材の採用が欠かせません。防炎障子紙は、万一の火災時に火災の拡大を防ぎ、避難時間を確保する役割を果たします。また、紙ならではの調湿・保温効果もあり、室内環境の快適さにも貢献できます。高齢者にとって過ごしやすく、安心な施設環境づくりに役立てられています。