日本建築における「尺」の用語とその歴史

良い家をつくりたい。
先生、「尺」について教えてください。

建築とインテリア研究家
はい。「尺」は日本の長さの単位で、明治時代に10/33メートルと定義されました。もとは親指と人さし指を広げたときの親指の先から中指の先までの長さを表していました。

良い家をつくりたい。
つまり、現在の尺は昔の尺よりも長いということですか?

建築とインテリア研究家
そうです。現在の尺は約18センチメートルで、昔の尺は約11センチメートルでした。
尺とは。
建築やインテリアで使われる「尺」とは、1尺が30.303センチメートルに定められたかつての長さ単位です。日本では江戸時代から使われていましたが、1958年にメートル法が導入されてからは公式には廃止されました。
ただし、伝統建築や和裁などの分野では、今でも「尺」という言葉が用いられています。この場合、1尺は33センチメートルに相当する「尺相当目盛り付き長さ計」が使われています。
「尺」という漢字は、親指と人差し指の先までの長さを表しています。かつては、この長さで「1尺」としていました。現在の尺の約6割にあたる、約18センチメートルとなります。
尺の定義と由来

「尺」とは、日本の伝統的な長さの単位であり、約30.3センチメートルに相当します。この用語は、時代や地域によって微妙に異なるものの、古代から現代まで日本の建築において重要な役割を果たしてきました。
尺の由来は、諸説あります。一説によると、大人が親指の先から人差し指の先までを開いた長さを基本としたとされています。また、別の説では、中国から伝わった「尺」が、日本の尺度に合わせて調整されたと考えられています。いずれにしても、尺は慣用単位として広く普及し、建築をはじめとする様々な分野で用いられてきました。
尺貫法における尺の役割

尺貫法における尺の役割
尺は、尺貫法における主要な単位であり、長さの基本単位として使用されてきました。尺貫法は、かつて日本で使用されていた伝統的な計量システムで、メートル法が導入されるまで広く用いられていました。尺貫法では、長さだけでなく、質量や容積などのさまざまな物理量を測定するための単位が定められており、尺はその中でも基本的な単位でした。尺は、物体の長さを測ったり、建築物や土地の大きさを表すために使用されていました。
尺の廃止と継続した使用

尺の廃止と継続した使用
大正10年(1921年)、メートル法が日本において施行され、尺貫法は廃止されました。しかし、尺はその後も建築の世界で使用され続けました。これは、伝統的な日本建築には尺貫法に依存する多くの要素があったためです。伝統的な神社や寺院の建設や修繕は、今でも尺貫法に基づいて行われています。また、畳や襖などの伝統的な建具も尺貫法で寸法が決められています。
木造建築における尺の活用

木造建築における尺の活用
日本の木造建築において、「尺」は寸法やモジュールの重要な単位として利用されてきました。尺は、長さの単位として使用されるだけでなく、建築要素の比率や調和を決定する重要な役割も果たしています。たとえば、伝統的な日本家屋の柱間の寸法は、通常1間の1.8メートルで構成され、これらは1尺(約30センチメートル)の倍数で細分化されています。この体系的な寸法の体系により、構造物の一貫性と調和が確保され、美的にも機能的にも優れた建築が実現します。さらに、「尺」は、柱や梁の断面や、屋根の勾配や妻壁の高さなど、建築物のさまざまな側面を決定するのにも使用されます。
和裁における尺の役割

日本建築において「尺」は重要な単位ですが、それは和裁でも重要な役割を果たしています。和裁とは、着物を仕立てる伝統的な日本の技術で、1,500年以上前に中国から伝わりました。着物を仕立てるには、寸法を正確に測る必要がありますが、その際に「尺」が用いられます。
「尺」は、日本の長さの単位の一つで、約30.3センチメートルに相当します。和裁では、一尺を10分(ぶ)、一寸を10厘(りん)に細分化しています。着物の寸法は、襟の高さ、袖の長さ、身幅など、細かく決められています。そのため、和裁師は「尺」を正確に測り、分や厘まで正確に仕立てなければなりません。