室内の空気の流れ方を知る

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室内の空気の流れ方を知る

良い家をつくりたい。

『室内における吸引空気の割合』について教えてください。

建築とインテリア研究家

『室内における吸引空気の割合』とは、人間が室内の空気の中で生活しているときに、身体の姿勢によって壁、床、天井から吸引する空気の割合のことだよ。

良い家をつくりたい。

なるほど、姿勢によって吸引する空気の割合が違うんですね。

建築とインテリア研究家

その通り。例えば、立っているときは床から50%前後、寝ているときは床から70%前後の空気を吸っていると考えられているんだ。このため、室内の空気環境を考える際には、床に使用する内装材や仕上げ材に特に注意が必要になるんだよ。

室内における吸引空気の割合とは。

室内における「開口部吸気率」は、住居内の空気量が通常は床面積と天井高の積で求められます。しかし、人が生活する中で吸い込む空気は、壁・床・天井から均等にわけられているわけではありません。

たとえば、立っているときは、壁から15%前後、床から50%前後、天井から1%前後吸い込まれています。また、寝ているときは、壁から8%前後、床から70%前後、天井から1%前後となっていて、いずれの場合も床から吸い込む割合が最も高くなっています。

このことから、室内の内装や仕上げ材を考える際には、床材に最も注意を払うべきでしょう。

室内の空気量はどのように求められるのか

室内の空気量はどのように求められるのか

室内の空気量を求めるには、部屋の体積を計算する必要があります。つまり、部屋の長さ、幅、高さを掛けて得られます。例えば、長さ5メートル、幅4メートル、高さ3メートルの部屋の体積は5 × 4 × 3 = 60立方メートルとなります。

さらに、換気回数とも呼ばれる空気交換率を考慮する必要があります。これは、1時間に空気が入れ替わる回数で、建物の種類や用途によって異なります。一般的に、住宅では0.5回/時、オフィスでは1.0回/時が推奨されています。

空気交換率がわかれば、室内の空気量を毎時換気量で計算できます。毎時換気量は、部屋の体積に空気交換率を掛けたものです。たとえば、体積が60立方メートルの部屋で空気交換率が0.5回/時の場合、毎時換気量は60 × 0.5 = 30立方メートルとなります。

壁・床・天井方向から吸い込む空気量の割合

壁・床・天井方向から吸い込む空気量の割合

室内の空気の流れを理解するために、壁、床、天井から吸い込まれる空気量の割合を把握することが重要です。一般的な住宅の場合、壁からの空気の吸い込み量が最も高く、約60~70%を占めます。これは、壁面から新鮮な外気が取り込まれ、室内に循環するからです。続いて床からの空気の吸い込み量が約20~30%で、これは床下の換気口や床の隙間から空気を取り入れます。天井からの空気の吸い込み量は比較的少なく、約10%以下です。これは、天井に換気システムが設置されている場合にのみ、吸気口から空気を取り込む必要があるためです。

生活状態による空気の吸い込み方の違い

生活状態による空気の吸い込み方の違い

私たちの生活状態は、室内の空気の吸い込み方に影響を与えます。例えば、調理中はコンロから放出される煙やにおいにより、空気の吸い込みが予想以上に多くなります。同様に、喫煙は室内の空気を汚染し、空気の吸い込み量を増やします。また、掃除や整理整頓など、埃を舞い上げる活動も空気の吸い込み量に影響します。これらの活動では、空気中の粒子が上昇し、換気経路に蓄積されるためです。逆に、換気扇や窓を開けるなどの換気を行うことで、空気の吸い込みを抑制することができます

床部分に注意を払うことの重要性

床部分に注意を払うことの重要性

室内の空気の流れ方を知るためには、床部分に注意を払うことが重要です。床に敷かれたカーペットやラグは、空気の流れを遮断する可能性があります。これにより、換気扇や窓から入ってきた新鮮な空気が部屋全体に行き渡らず、空気の滞留や汚染につながりかねません。そのため、空気の循環を確保するためには、カーペットやラグを定期的に掃除するか、裸足で歩くエリアを増やしましょう。

内装・仕上げ材の選び方

内装・仕上げ材の選び方

室内空気の快適性を確保するためには、内装・仕上げ材の選択も重要な要素となります。適切な内装材と仕上げ材を使用することで、空気の流れを促進し、空気を滞らせないようにすることができます。

壁材には、湿気を吸収・放出して湿度を調整する調湿効果のあるものがおすすめです。また、床材には、汚れや菌がつきにくく、空気中のホコリや胞子を舞い上げにくいものや、吸音効果のあるものが適しています。天井材には、空気の流れを妨げない吸音性が低いものや、消臭効果のあるものが効果的です。さらに、カーテンやブラインドなどの窓装飾も空気の流れを阻害しない素材や構造を選びましょう。

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