唐戸とは：日本の伝統的な木製開き戸
良い家をつくりたい。
「唐戸」の板唐戸と桟唐戸の違いについて教えてください。
建築とインテリア研究家
板唐戸は框を使わずに板をはいで作る扉で、社寺建築などで開き戸として使われます。
良い家をつくりたい。
桟唐戸は框の枠の中に縦桟と横桟を組み、薄板の鏡板をはめた扉ですね。
建築とインテリア研究家
そうです。現代では桟唐戸が一般の住宅でも用いられています。ガラスをはめ込んで装飾性の高いデザインにすることもできます。
唐戸とは。
「唐戸」とは、木製の引き戸のことを指します。古くは寺院や神社の出入り口に用いられていましたが、今では一般住宅でも使われています。唐戸には「板唐戸」と「桟唐戸」の2種類があります。
かつては板唐戸が主流でしたが、後に桟唐戸が普及しました。板唐戸は、神社仏閣などの引き戸として使われる扉の一種で、枠を使用せず、1枚または数枚の板を組み合わせて作られます。
一方、桟唐戸は枠の中に縦と横の桟を組み合わせ、その間に薄い鏡板をはめ込んだものです。現代では、洋風の木製ドアとして一般住宅にも取り入れられています。鏡板の部分にガラスを嵌め込んだものもあり、装飾性の高いデザインになっています。
唐戸の種類
唐戸の種類
唐戸には、構造や用途によってさまざまな種類があります。最も一般的なのは、2つまたは4つの木製パネルで構成される片開き戸です。また、大きな開口部に使用される両開き戸や、通気性を確保するために上部が透かし彫りになっている連子戸があります。さらに、風雨を防ぐために用いられる、雨戸と呼ばれる引き戸タイプもあります。また、蔵戸と呼ばれる、頑丈な木製ドアは、倉庫や土蔵などの重要な建物を保護するために使用されます。
板唐戸とは
板唐戸は、唐戸の亜種で、長い一枚板を軸に吊り下げて開閉する形式が特徴です。軸は扉の上部にのみ設置され、下部は自由自在に動くため、障子のように滑らかに開閉できます。板唐戸は通常、書院造や茶室などの和風建築に使用され、簡潔でエレガントな外観が特徴的です。また、軽量で持ち運びが容易なため、可動式の仕切りとしても使用できます。
桟唐戸とは
桟唐戸は、桟と呼ばれる横板で構成された唐戸の一種です。これらの横板は、頑丈な枠組みに取り付けられ、通気性を確保しつつ、プライバシーを保護するように設計されています。桟唐戸は、伝統的な日本建築で一般的に使用されており、特に縁側やベランダなどの開放的なスペースで用いられます。
現代住宅における唐戸の利用
現代住宅における唐戸の利用
伝統的な唐戸は、現代住宅の設計にも取り入れられています。その機能性と美しさは、住宅に独特な魅力と実用性を添えます。モダンなインテリアでは、唐戸は空間を仕切ったり、収納スペースを隠したりするために使用されます。スライド式または折りたたみ式の唐戸は、柔軟な間取り変更を可能にし、小さな住宅の空間を最大限に活用できます。また、唐戸の丈夫で耐久性のある素材は、頻繁に使用するエリアや、子供部屋など、耐久性が求められる場所に最適です。
唐戸の装飾的用途
唐戸の装飾的用途において、その美しさは比類のないものです。伝統的な日本の建築において、唐戸は単なる出入り口ではなく、装飾的な芸術作品とされています。彫刻が施されたパネルや鮮やかな塗りが、建物を飾るとともに、室内と外部空間の境界線を曖昧にします。
唐戸に見られる装飾は、自然界や日本の伝統的モチーフに大きく影響されています。桜、松、菊などの植物や、鶴、鯉、竜などの動物が、細部まで精巧に彫刻されています。また、唐戸には華やかな金箔や漆が施され、豪華さと威厳を演出しています。
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