ケンパスとは?その特徴や用途を解説

良い家をつくりたい。
ケンパスについて教えてください。

建築とインテリア研究家
ケンパスは、東南アジアからニュージーランドにかけて分布する広葉樹です。高さは30〜45mの大木に成長します。

良い家をつくりたい。
ケンパスの特徴を教えてください。

建築とインテリア研究家
心材は赤褐色、辺材は淡褐色から淡赤褐色で、加工するとリップルマークと呼ばれる漣模様が現れます。重硬で強度は高く、耐朽性と粘りがあるので、家具や内装材、床材などに利用されています。
ケンパスとは。
「ケンパス」とは、東南アジアのマレー半島やボルネオ、スマトラから南太平洋のニュージーランドにかけて分布する広葉樹です。マメ科コウムパシア属に属し、大木になると30〜45mにも達します。別名「インパス」とも呼ばれます。
ケンパスの特徴は、辺材と心材の境目がはっきりしていて、心材は赤褐色、辺材は淡褐色から時間が経つと淡赤褐色に変化することです。加工面にはリップルマーク(波紋状の模様)が現れます。
木質は重硬で強度が高く、気乾比重は0.77〜0.91です。乾燥が難しく、割れが発生しやすいのが加工上の難点ですが、仕上がりは良好です。また、耐朽性と粘り強さがあり、家具の脚部や内装の装飾材、家具材、床材として利用されています。梱包材、枕木、構造材などにも用いられます。
ケンプスの特徴

ケンプスの特徴は、その独特な繊維構造にあります。ケンプは、耐久性と弾力性に優れた、中空の靭皮繊維から構成されています。この繊維は、植物の茎の皮層にあり、他の天然繊維に比べて細く、柔軟性があります。
また、ケンプは吸湿発散性に優れています。中空構造により水分を吸収し、素早く発散させることができます。この特性により、高温多湿の環境でも快適に着用することが可能です。さらに、ケンプは抗菌性・抗臭性も備えており、細菌の繁殖を抑えます。
ケンプスの用途

ケンプスの用途
ケンプスの主な用途は、床材です。その耐久性と摩耗耐性から、商業施設や公共施設など、人通りの多い場所に適しています。また、壁面材としても使用されており、耐衝撃性と防音効果が求められる場所に向いています。さらに、天井材や家具、什器など、さまざまな用途に利用されています。ケンプスの特徴である防汚性や抗菌性を活かし、医療施設や飲食店でも使用されています。
ケンプスの加工性

ケンプスの加工性は、その汎用性の高さでも知られています。ケンプスは、さまざまな加工方法で容易に形を変えられる柔軟な素材です。曲げ、成形、溶接、切断などの作業が比較的容易に行えます。これらの特性により、ケンプスは、建築、自動車、医療機器、その他の産業における広範な用途に適しており、設計者に複雑な形状や用途に応じて素材をカスタマイズする自由度を提供しています。
ケンプスの耐久性

ケンプスの耐久性は、その多様な用途に不可欠な特質です。ケンプスの繊維は非常に丈夫で、摩擦や損傷に耐えることができます。このため、ロープ、帆、漁網などの過酷な環境で使用される用途に適しています。さらに、ケンプスの耐久性は、吸湿発散性にも優れています。これにより、湿った状態でも強度を維持し、速乾性があるため、快適性と実用性を兼ね備えています。
ケンプスの産地

ケンプスの産地
ケンプは熱帯地方で栽培され、主にアジアとアフリカで生産されています。最大の生産国はインドネシアで、次にタイ、中国、マレーシアが続きます。これらの地域では、ケンプ植物は湿地帯で栽培され、豊富な降水量と強い日差しを利用しています。ケンプは比較的丈夫な植物で、さまざまな土壌条件に耐えることができます。